放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

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第211回–2025年10月

TBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見 対応報告を了承

第211回放送倫理検証委員会は、10月10日に千代田放送会館で開催された。
委員会が2025年7月11日に通知・公表した委員会決定第48号 番組と広告の識別が問題視されたTBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見について、当該放送局から再発防止に関する取り組み状況などの対応報告が書面で提出され、その内容を検討した結果、報告を了承して公表することにした。
9月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。

議事の詳細

日時
2025年10月10日(金)午後4時~午後5時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. TBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見への対応報告を了承

7月11日に通知・公表した委員会決定第48号 番組と広告の識別が問題視されたTBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見への対応報告が、当該放送局から委員会に書面で提出された。
報告書には、委員会決定が公表された後、本件放送に関わったコンテンツ戦略局、営業局、編成考査局を中心に、委員会決定の内容を周知、説明する会を開催したことが記されている。
再発防止については以下のような取り組みを講じていることが記載されている。
9月1日付で、「番組内での商品・サービスの取り扱いに関する識別上の留意点」を策定し、TBSテレビの放送基準などを収めたガイドライン集に新たに掲載。番組で取り上げる理由・目的に「主体性」と「必然性」があること、視聴者にとって有益でフェアな内容であることの2点に留意するよう求めている。
また、社内の共有フォルダでスポンサー情報や番組で取り扱う企業名・企画内容などを一元的に管理し、関係部門間で適切に情報共有する運用を開始。
さらに、考査機能を強化するため、番組と広告の識別をめぐり視聴者に誤解を与える可能性のある番組については、納品前の「完パケ」またはテロップがすべて入った「画完」を対象とした考査を行う体制を整えたことなどが記されている。
委員からは、報告書に沿って良い番組を作ってほしい等の意見が出され、報告を了承して公表することにした。
TBSテレビの対応報告は、こちら(PDFファイル)

2. 9月の視聴者・聴取者意見を報告

9月に視聴者・聴取者から寄せられた意見には、情報番組のコメンテーターが、ある政党が特定の団体に金を配って集票していると誤解を招く発言をしたことに対して、撤回と謝罪を求める意見があった。また、ソーシャルメディア上の投稿写真の使用許諾を受けた情報番組が、その写真を使って元の投稿の趣旨とは全く逆の内容の放送をしたことについて、事実を伝える報道機関としてあるまじき行動だと批判する意見があった。

3. その他

NHKが2025年8月16、17日に放送したNHKスペシャル『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦』について、10月初旬、同番組の舞台となった総力戦研究所の所長を務めていた人の親族から、祖父が正反対の人物として描かれ、総力戦研究所に関する史実が意図的にわい曲されている旨を記した「要望書」と資料が放送倫理検証委員会に届いた。この番組は、NHKの番組紹介によると、「猪瀬直樹の『昭和16年夏の敗戦』を原案に創作を加えたドラマと、総力戦研究所の史実を伝えるドキュメンタリーを2夜連続で放送。日米開戦前夜の1941年夏、首相直属の総力戦研究所で日本とアメリカが戦った場合のあらゆる可能性がシミュレートされた。官僚・軍人・民間から選抜された若きエリートたちが導き出した結論は日本の“圧倒的な敗北”だった―。」というものである。
放送倫理検証委員会は申立て制度を取っておらず、申立書・要望書は放送番組を検討する端緒のひとつと捉えることがあるが、申立書・要望書を受けて必ず議論を行うものではない。本番組については番組を視聴し議論をした。議論では、史実に基づくドラマ制作に関し、関係者と事前に協議をしなかったことや人物の設定そのものを史実と変えて描くことに疑問を呈する意見のほか、戦争の取り上げ方が多様化する中でのドラマ制作のあり方、歴史の捉え方、モデル小説などに関する裁判例についての意見があった。ドラマであることを理由にいかなる番組を制作しても良いとはいえないが、委員会は、本番組についてはドラマ制作として放送倫理上問題の疑いがあるとまではいえず、またテロップでフィクションであることを明示したうえ、ドラマの後のドキュメンタリー部分で、実際の所長はドラマで描かれた人物像とは異なっていたことをナレーションなどで説明しており、視聴者において誤解が生じることはないと考え、討議入りしないこととした。
なお、委員会は議論をしたうえで討議、審議・審理入りしないことを決めた番組については、原則として議事概要に放送局名・番組名を公表していないが、要望書を出した親族が記者会見を行ったことやNHK会長の記者会見の発言などがすでに報道されていることから、議事概要に番組名等を記載することとした。

以上