第212回–2025年11月
日本テレビ『月曜から夜ふかし』への意見の通知・公表について報告
第212回放送倫理検証委員会は、11月14日に千代田放送会館で開催された。
委員会が10月21日に行った、委員会決定第49号 日本テレビ『月曜から夜ふかし』街頭インタビューの恣意的な編集に関する意見の通知・公表について、出席した委員長と担当委員からその様子が報告された。
10月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。
静岡・山梨地区で開催する意見交換会の実施要領と事前アンケートの集計などが報告された。
議事の詳細
- 日時
- 2025年11月14日(金)午後4時~午後5時20分
- 場所
- 「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
- 1. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』街頭インタビューの恣意的な編集に関する意見の通知・公表について報告
2. 10月に寄せられた視聴者・聴取者意見を報告
3. 静岡・山梨地区意見交換会の開催について
- 出席者
-
小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員
1. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』街頭インタビューの恣意的な編集に関する意見の通知・公表について報告
日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の人の声を紹介したが、放送後この人から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。委員会は同年4月、放送倫理違反の疑いがあり取材から放送に至る制作プロセスを検証する必要があるとして審議入りを決めた。
委員会で関係者へのヒアリングや資料の精査を進めた結果、街頭インタビューを担当したディレクターが、オチが付き面白い内容になると考えて、中国出身の人が別の文脈で発言した言葉を恣意的につぎはぎする音声の編集を単独で行い、発言していない内容を発言したかのように放送した結果、取材対象者がソーシャルメディア上で誹謗中傷にさらされる事態に至ったことを確認した。
また、なぜ恣意的な編集に気づかず、事案の発生を防げなかったのかについて検証した結果、▼番組の制作過程に不正がないかどうか疑念を持つ意識が制作幹部に希薄だったこと、▼取材対象者に放送内容の真正性を確認する場が放送を許諾するよう仕向ける場となっていたり、番組の制作過程で生じた疑念を制作陣全体に共有する仕組みがなかったり、不正抑止のための仕組みが機能不全を起こしていたこと、▼制作陣が、取材対象者は自主的にオチのある発言をし、視聴者はそれを冗談だと受け止めると一方的に期待して笑いやオチを優先させるなかで、不正リスクの軽視につながった組織風土が醸成されたことに問題があったと認めた。また、他国の人々の感情を尊重する姿勢が不十分であったと付言した。
委員会はこれらの点などが問題であると指摘し、本件放送は恣意的な編集によって事実に基づかない虚偽の内容を放送し、取材対象者がソーシャルメディア上において想定外の誹謗中傷にさらされる事態を招いたとして、日本民間放送連盟放送基準「(31)報道活動は市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づき、公正でなければならない」、日本テレビの取材・放送規範「事実を歪曲してはならず、また、誤解を招く過剰表現や断定的な表現をしてはならない」、日本民間放送連盟放送基準「(56)放送内容によっては、SNS等において出演者に対する想定外の誹謗中傷等を誘引することがあり得ることに留意する」の各項目に反するものであり、放送倫理違反があったと判断した。
2025年10月21日、委員会は当該放送局に委員会決定を通知し、引き続き記者会見を開いて意見書を公表した。
この日の委員会では、委員会決定を伝えた日本テレビのニュース番組の録画を視聴し、委員長と担当委員が通知・公表時の様子について報告した。
通知と公表の概要は、こちら。
2. 10月の視聴者・聴取者意見を報告
10月に視聴者・聴取者から寄せられた意見では、高市早苗氏に関する番組での取り上げ方や出演者の発言に対する批判の声が多数寄せられていることが事務局から報告された。番組の司会者が「あんな奴は死んでしまえと言えばいいんだ」と発言した放送について、BPOに数多くの批判や意見が寄せられ、別のニュース番組で高市新政権発足後に高市総理と閣僚らが官邸の階段を下りてくる映像が使われた際、画角が斜めになっていることについて「視聴者に不安感や緊張感を与える」といった意見などが寄せられた。
3. 静岡・山梨地区意見交換会の開催について
放送倫理検証委員会は、2025年11月28日に静岡県と山梨県の放送局を対象に静岡市内で意見交換会を実施する。事務局から当日の実施要領や事前アンケートの集計結果が説明された。
以上


